オーディオの醍醐味は弦楽四重奏

弦楽四重奏をオーディオで聴くと、生の演奏会では味わえない感動があります。
演奏会では一つの塊となってハーモニーとして聴こえてしまう、各楽器の定位がはっきりと実感できます。
オーケストラなど大規模な編成の場合は、それぞれの楽器を明確に捉えることはなかなか難しいのですが、弦楽四重奏の場合は、弦楽器だけで単一音色であるため、定位感が楽しめます。
また、オーディオの場合は、音量も自由に大きくできるので、ピアニッシモさえ綺麗に再現できれば、緊張感は、生とは比べ物にならないくらい高まります。
弦楽四重奏というとちょっと地味ではありますが、作曲家の個性もよく出ている曲も多く、オーディオの醍醐味だけではなく、音楽としても十分楽しめると思います。

1.アルバン・ベルク四重奏団/ハイドン:弦楽四重奏曲第77番「皇帝」
この曲の第二楽章はドイツ国歌となっています。アルバン・ベルク四重奏団にはより洗練された新録音も良いですが、この旧盤の方がしっくりきます。
  ハイドン:弦楽四重奏曲第77番「皇帝」、第74番「騎士」

2.メロス弦楽四重奏団/メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
この四重奏団は音色が柔らかく、このメンデルスゾーンやシューベルトが楽しめます。ベートーベンの第11番セリオーソなども他とは違った適度な緊張感で感動的です。
  メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
3.ハーゲン弦楽四重奏団/ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第3番&第7番&第8番
ハーゲン四重奏団は、はっきりとした録音が特徴です。定位感もはっきりとしています。このショスタコーウ゛ィチは近代の作曲家でもあることから、より鮮明な弦楽四重奏を楽しめます。他にシューマンもドイツ的な構成をよく表現できていると思います。
  ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第3番&第7番&第8番

4. スメタナ四重奏団/ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番&第2番&第3番
DENONがデジタル録音を始めたころのスメタナ四重奏団の演奏です。ベートーベンの初期の弦楽四重奏曲は、何か心が温まります。
  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番&第2番&第3番

5.エマーソン弦楽四重奏団/バッハ:フーガの技法
この曲を弦楽四重奏で演奏するのは珍しいです。今回のオーディオの醍醐味として聴くには良い演奏です。エマーソン弦楽四重奏団は他の作曲家の弦楽四重奏曲でも良い演奏がたくさんありますが、このバッハは面白いと思います。
  バッハ:フーガの技法

パーヴォ・ヤルヴィとシンシナティ交響楽団

 

この指揮者を有名にしたのは、 ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンとのベートーベンの交響曲ですが、その前に良い録音を重視するTELARCレーベルとDSDの1bit録音をしていたのが、シンシナティ交響楽団との演奏です。
ここでは、ストラヴィンスキーやプロコフィエフ、ドビュッシー、ラヴェル、バルトークなど多彩な作曲家の演奏を楽しめます。
ベートーベンの時と同様に、どれもヤルヴィの音になっている感じで、ストレートではっきりとしており、初めて聴く人でも判りやすいものとなっています。ストラヴィンスキーなどは、もう少し父のネーメ・ヤルヴィのように熱いところが欲しい気もしますが、これがパーヴォ流の明晰さなのでしょう。

1.ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー管弦楽曲集です。中学の音楽の時間で聴いたこのタイトル曲の強い印象がよみがえります。
  ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

2. ラヴェル:ボレロ
これもラヴェルの管弦楽曲集でフランスものが続きます。色彩的な美しさが明確に判断できるお薦め盤です。
  ラヴェル:ボレロ

3. プロコフィエフ:交響曲第5番
この曲は、はっきりした音構成が非常に似合う曲です。プロコフィエフの名曲の一つですが、明解なこの演奏はかなり個性的でしょう。
  プロコフィエフ:交響曲第5番

4. ストラヴィンスキー:春の祭典
このストラヴィンスキーも同様の傾向です。ニールセンの交響曲第5番も一緒に入っていますが、こちらもかなり楽しめます。
  ストラヴィンスキー:春の祭典

5. バルトーク:管弦楽のための協奏曲
この盤にはバルトークと一緒に、ルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲も入っています。二人の作曲家の同名の曲を合わせた企画もよく、聴くものをワクワクさせます。
  バルトーク:管弦楽のための協奏曲

<追加>
6.ムソルグスキー:展覧会の絵
再度、聴き直してみたら、この作品の特徴である色彩的な音といい盛り上がりといい、かなりのものと感じましたので、追加しました。父ネーメの同曲CDも確認しましたが、パーヴォの方が録音の良さもあり迫力ありました。
  ムソルグスキー:展覧会の絵 他

感動の愛聴盤 その2

 

今回は、よく聴くCDの中から、いくつか特徴的な楽曲や演奏をとりあげてみたいと思います。

1.ムーティ/ハイドン「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」
あまり知られていない曲ですが、弦楽四重奏版もあります。弦のピアニッシモが印象的で、どこかで聴いたことのあるようなメロディも心に残るものがあります。
  ハイドン:十字架上のキリストの最後の7つの言葉

2.コパチンスカヤ&サイ/ベートーベン「バイオリン・ソナタ第9番”クロイツェル”」
この曲は名曲ですが、演奏が凄いの一言です。もともとファジル・サイというピアニストのベートーベンで感動したのがきっかけで、このコパチンスカヤのバイオリンと出会いました。
今までのどのクロイツェルとも比べ物にならないくらいジプシー的(?)なベートーベンです。他にもバルトークのルーマニア民謡も楽しめます。
  スーパー・デュオ!

3.クロノス・カルテット/グラス「弦楽四重奏曲集」
現代音楽というジャンルの中の作曲家フィリップ・グラスは映画音楽で有名ですが、独特の同じ音形の繰り返しが特徴的で、弦楽四重奏曲では特に凝縮された音が感動的です。第3番「Mishima」も含まれています。先日、レディ・ガガのCDを初めて聴きましたが、このフィリップ・グラスに似ていて驚きました。レディ・ガガが好きな方は是非フィリップ・グラス聴いてみてください。
  クロノス・プレイズ・フィリップ

4.ヘンク・ファン・トゥイラールト(Henk van Twillert) /バッハ「無伴奏チェロ組曲」
何とこの名曲を、チェロではなくバリトンサックスで演奏しています。邪道と思われる方も多いと思いますが、かなり良い音で録音されており、とても楽しめます。以前、docomoのTV-CMでも使われていたかと思います。
  バッハ:バリトンサックスによる無伴奏チェロ組曲(2枚組)

5.シャハム&セルシェル/パガニーニ「バイオリンとギターのための作品集」
バイオリンとギターの二重奏ではバランスが悪いかと考えられますが、これが意外にピッタリ合うのです。パガニーニの親しみ易いメロディにのせて、シャハムのバイオリンが爽やかです。
  パガニーニ・フォー・トゥー ヴァイオリンとギターのための作品集